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「隠岐諸島」旅 その13(西ノ島) 観光バスに乗り、船の欠航で決断を迫られる

2016年の隠岐の旅、第十三回です。海士町二日目の夜でしっかり二日酔いになり、旅の四日目に突入。


行くか留まるか悩むも、西ノ島へ

前日のスナックでの深酒ですっかり二日酔いですが、もっと差し迫った状況があります。

天気予報や外の様子を伺うに、この日から明日にかけて急速に風が強まり、下手したら明々後日は帰れなくなる可能性も出てきました。今日の午後からは雨の予報まで。

「うーん、このまま海士町に留まるのもありかなあ・・・」

と朝ごはんを食べながら迷っていると、島内放送で高速船欠航のお知らせが流れ、さらに頭を悩ませます。それでも、どの島にいても船が欠航すれば帰れなくなるのは変わらないので、予定通り西ノ島へ行くことに。

9時50分に出港のフェリーしらしまに乗り、海士町に別れを告げて西ノ島へ。

「ああー、もう降ってきちゃった」

出航してすぐ空から雨粒が降ってくるも、15分で西ノ島別府港に到着。


レンタルサイクルをキャンセルして、観光バスに飛び乗り

すぐさまターミナル内にある観光協会のカウンターに行き、すでに予約しておいたレンタルサイクルをキャンセル、観光バスに切り替えました。レンタカー、空いてなかったんですよ・・・。さすがに風も出てきた雨の中、アップダウンのある島を自転車で回るわけには行かないし、どこにも行けないのも寂しいので観光バスにしました。

「あと5分で出ますので、乗り場に急いでください」と言われたので、ターミナルをすぐに出て、駐車場に止まっていたバスに滑り込み。

「あら、こんにちは!」と声がする方を見ると、海士町の宿で同宿だったおばあちゃんと娘さん。雨降ってきちゃいましたねなんて話しをしながら近くに座ります。

バスは別府港を10時20分に出発すると、まず船引運河を通ります。録音ですがガイド付き。

船引運河は西ノ島を東西に分けている地峡を大正時代に切り開いて作られた運河で、島前の内海と外海である日本海を繋いでいます。地名の「船引」は、運河ができる前は船を内海から外海に出すのに船を陸の上に引き上げていたことによるものだとか。

バスは島の西側へ向かい、山道を上がります。正直、バスの揺れと暖かさで眠くなります。

バスが停まったところは「赤尾展望台」。西之島が誇る景勝地「国賀海岸」を一望できるスポットですが、やはりあいにくの強風と雨模様。

荒々しい海食崖の風景も鈍色の空に沈んでいます。二日酔いのせいもあってかあまりテンションも上がらず、通り一遍に写真を撮って、バスに戻ります。

ここまでバスで来て分かりましたが、自転車だと途中の山道の登りがかなり厳しい。結果的にバスでよかったのかもしれません。二日酔いだし。


由良比女神社とイカ

バスは山を降り、「由良比女神社(ゆらひめじんじゃ)」へ。雨は降ったりやんだりですっきりしません。

それでも訪れた神社はさすがの風格。それもそのはず、ここ由良比女神社は隠岐国一宮。宇受賀命神社の時にも触れましたが、名神大社の格を与えられた隠岐の4社のうちのひとつでもあります。

その正確な創建は不明ですが、平安時代の842年、官社に定められたという記録が残っています。

そんな由緒正しき由良比女神社ですが、イカにまつわるお話しがあります。参道の入り口の前の入り江「いか寄せの浜」と呼ばれる由良の浜には、毎年10〜2月にかけてイカが押し寄せるそうです。

「え、この雨の中で漁してる!?」と思ってよく見ると、イカを捕る人を模した看板がいくつか設置されていて、まぎらわしい(笑) 二度見しましたよ・・・。

伝承では、祭神の由良比女命が苧桶に乗って海を渡っている時に、海に浸した手をイカが引っ張るなどいたずらをしたため、そのお詫びに毎年秋にこの浜までイカが押し寄せるようになったのだとか。

ちなみに旅から帰った後に調べると、昭和20年頃までは毎年イカが実際にこの浜に寄ってきていたそうですが、現在は沖でイカ漁が行われるのでこの浜に寄せることはなくなったのだとか。ちょっと寂しいですね。

そんな事情を知りながら立てられた看板たちを見るとなんとも言えない気分。いつ来るともしれないイカを待ち続ける彼ら・・・。

でもバスのガイドでは、毎年11月に1mを超えるベニイカが来るとも言っていました。真相は果たして。帰る道すがらバスから見た魚屋の軒先には、確かに巨大なイカの干物が掛けられていましたが。


なぜか浦郷港で降ろされる

バス内の音声ガイドで、お隣の知夫里島では500人の人口よりタヌキの方が多いというちょい知識に「ほほう」となったり、大量の隠岐民謡を聞いているうちにツアーは終了、港に着いたようです。時間は12時半でした。

「あれ、ここどこ・・・?」

そうです、降ろされたのは出発した別府港ではなく、島の中ほどにある浦郷港。出発ギリギリで飛び乗った観光バスですが、まさか終点が別の港だとは思いもよらなかったので戸惑います。

どうやら観光バスに乗ったあとは、この港から出る「国賀めぐり定期観光船」に乗せたい、という思惑でこの港で降ろされるようですね。

「どう見てもこんな荒天で船も出るわけじゃなし、別府港まで行ってほしかったわ・・・」率直な感想が口から出ます。

雨と風が強まってきたのでひとまず目の前のターミナルに入りますが、閑散としています。レストランかと思って奥のスペースに行ってみると、かつてはレストランだったようですが、今はテーブルと椅子が並んだただの休憩所。やる気がなさすぎます。

(最近調べ直したところ、ここは現在「おき龍宮堂」というレストランになっているそうです。この当時やってて欲しかった!)


船は欠航確実、行くか留まるか

観光バスに同乗していたほぼ全員が、休憩所で別府港まで戻る町営バスを待っていますが、急速に悪化してきた天候を前にテンション低め。窓の外の港でもすでに白浪がざばざば立つほどの強風。

「明日の船は出ないかもしれないね」的な会話も流れてきます。そりゃそうだ。

その場で色々調べると、明日の船の欠航は確実だが、今日15時半頃出港するフェリーくにがはまだ運航予定。それに乗れば島に閉じ込められることはなくなりそう。

近くの子供連れ家族とどうします?的な話しをしていると、どうも今夜の宿が同じ。しばらく悩んだその家族は、キャンセルして15時半のフェリーで島を離れることにしますとのこと。

「宿に電話したら、食事の用意をしてしまっているのでキャンセル料半額かかります、と言われました」と肩を落としていました。

航空会社に問い合わせたところ米子空港から出る飛行機の最終便もすでに一杯。楽天トラベルやじゃらんでざっと調べたところ、松江の宿もゴールデンウィークということもあり、ぜんぜんない。今日島を抜けても、松江や米子で路頭に迷う可能性が大きい。

僕の旅程は明後日まで。天気予報を見ていると強風なのは明日いっぱいまでで、明後日には回復するらしい。

フェリーを運行している隠岐汽船に電話すると、明後日は大丈夫だろうという回答。

「なら、島に残って予定通り明後日帰ろう」島旅の風物詩(?)欠航祭りにももうすっかり慣れました。

この決断が吉と出るか、凶と出るか。(続きます)

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