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「利尻島・礼文島」旅 その14(礼文島) 星観荘はリーズナブルなのに夕食はどれもうまい

2016年の利尻島・礼文島旅のレポート、第14回。今回で最終回です。関東に接近しつつある台風の雨雲が遠く北海道まで伸びてきており、予定を繰り上げて明日、帰ることにしたのでした。


星観荘の夕食と恒例のミーティング

星観荘さんの夕飯は18時。ミーティングルームに行くと、テーブルの上にずらりと料理が並んでいます。お供はサッポロクラシック。

そばの掲示板に筆で書かれたメニューが貼り出されています。

刺身(ハマチ、赤貝)、鮭ホイル焼き、うに一夜漬け、〆鯖の酢のもの、さつまいものサラダ、茄子と豚のカレー炒め、ふるふるフルーツゼリー、海老の醤油汁。メニューも多彩で実に楽しい。ご主人の彦さんがどの料理も説明してくれました。

「北の島でハマチ出てきた・・・やっぱり新潟とか富山で獲れなくなってて北に移ってるって本当だったんだな」と思ってると、「今年は島の周りでハマチが獲れてるんだよ」と彦さん。

やはり温暖化の影響でしょうか。

それはそうと、どの料理もしっかり手がかけられていて美味しい。礼文島の他の宿はシーズン中だと一泊二食付きで1万5千円超えのところが普通ですが、ここ星観荘さんはドミトリーの相部屋とはいえ7000円。破格です。しかも料理も美味しい。常連さんが多いのもうなずけます。

夕食は同宿の方々と和気藹々と済ませ、食べ終わった人は自分で食器を片付けます。これも小笠原のユースっぽい。食後しばらくすると、恒例のミーティングが始まりました。

泊まっている人の紹介、今日見たものやしたことの報告、明日の予定の決定、が主な内容でした。

他の人のお話しを聞いていると、やっぱり礼文島は歩いたほうが色々見られるようで、次回の宿題です。

彦さんが今日島を歩いた方の話しを聞きながら、地図でその場所を教えてくれます。

明日の予定は、二人を除いてみんな島を抜けるとのこと。最後に全員で記念撮影をしてお開きです。

ミーティング後も、飲み続けたい人はミーティングルームで23時まで過ごすことができるとのことなので、僕も缶ビール片手に同宿の方と色々お話しをしました。

「色々島を回ってるって言ってましたけど、小値賀島には行かれましたか?」と声をかけてくれた方がいました。

「行きました。とてもいいところなので延泊までしちゃいましたね」

「実は私、小値賀島の前方郷の出身なんですよ」

まさか北の島で小値賀島出身の方と会えるなんて思ってなかったのでとても驚きました。その後は小値賀島話しで盛り上がり、23時まで色んな旅の話しができました。こういう宿、久しぶりでとても居心地がよかった。明日帰らなければいけないのが本当にもったいない。

部屋に戻ってからも、同じ部屋なのは利尻島でも同宿だったSさんだけだったので、同じバイク趣味仲間として色々話しをしているうちに眠りについたのでした。


一泊で礼文島を抜ける日

明け方5時。強い風の音で目が覚めます。

「これ、フェリーまずいんじゃないのかな・・・」

と思い、ハートランドフェリーのサイトを見てみると、なんと「平常通りの運航」の文字。すごい。港が大きいからでしょうか。

7時過ぎには宿を出発とのことで、朝食は6時半から。

「午後便は出ないらしいよ」という話しが聞こえてきます。やはり1便で帰るのが正解のよう。

朝食を済ませ、出発の準備をして宿の車組に先んじて出発します。強い風の中、40分かけて香深港まで戻ります。雨が降ってきませんように・・・。

海岸沿いの道から見える海は、白波が立ち次々に大波を打ち寄せています。

海の近くを通る道では風に巻き上げられた飛沫が舞っているのが見えますが、行くしかありません。

「結構しっとりしてしまった・・・」それでも強風にあおられつつもなんとか香深港を目指します。

途中、「この強風で大変な時にやたら煽ってくる車がいるなあ」と思ってよくよく見てみたら、星観荘の車でした。ついでに車内から僕を撮った写真を後からもらいましたが、完全に怪しい人ですね。

港のターミナルでは、この便で島を出る大勢の人が船に乗る列を作っています。

チケットを買い、列に並んで8時30分ごろ無事に乗船できました。これで一安心。

デッキに出ると、彦さんと宿に残る人が見送ってくれます。

が、その少し離れたところで15人くらいの団体が、見送りの踊りと歌を披露しています。◯岩荘ですね。とにかく全員大声ですごい。気になりすぎるし、彦さんの声がかき消されます。

やがて船は定刻の8時45分に出港、一泊だけで名残惜しい礼文島を後にします。

船はかなり揺れましたが、稚内港に10時45分に到着。同宿の人たちも稚内空港に向かうとのことでタクシーに同乗させてもらい、スムーズに空港までたどり着きます。

波飛沫を浴びて塩っぽい服を着替え、荷物を預けて保安検査場を通過。あとはフライトまでのんびりです。同宿の人たちの旅話しを聞かせてもらっているうちに搭乗時刻。

新千歳空港で乗り換えて羽田空港に到着したのは15時過ぎ。バスに乗るためにターミナルを出ると、あまりの暑さにめまいを覚えます。午前中まで寒さに震えていたのを考えると、日本の広さを実感します。

天気に恵まれた利尻島、残念ながら一泊で島を離れることになった礼文島。どちらも良い宿に泊まれて「もっとのんびり滞在したい」と思える旅となりました。学生時代、初めて小笠原に行った時のようなそんな宿の空気感を味わえて心が暖かくなりました。

ただ、利尻山にも登れなかったし、礼文島はほとんどどこにも行けてないのと同じ。次への宿題は山積みです。また、北の島々を歩きに戻ってくるつもりです。

翌日、本来なら旅の最終日だったはずの日。乗るはずだった船と飛行機が出たのが気になってチェックしていました。台風は見事に関東の東の海に逸れていきました。

飛行機は問題なく飛ぶようでした。これは読み違い。しかし利尻島・礼文島の船は全便欠航。まさか船のほうが出ないとは。台風の腕が遠くまで伸びた結果でしょうね。そんな読めなさ加減も島旅の醍醐味でしょう。(利尻島/礼文島旅・了)

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