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「隠岐諸島」旅 その9(海士町) 奈伎良比売神社の参道に目を奪われ、謎の鉄球の正体に驚く

2016年の隠岐の旅、第九回です。海士町の一日目は、素晴らしい景色あり、親切な島人の方の案内あり、レンズ破損ありの盛りだくさん。果たして二日目は。


同宿の人は17年ぶりの帰郷とお墓参り

朝ごはんは、同宿の女性二人組と一緒でした。

聞けば、おばあさんの方はここ海士町出身で娘さんと今回来たそう。これから17年ぶりのお墓参りに行くのだとか。昨日夕飯を食べに近所の寿司屋に行ったら、隣に座ったのが姪っ子だったそうです。

食卓に並んだお米が美味しいなあと思っていたら、やはりこの島で作られたものだそう。

島の人って案外そういうことを当たり前と思ってわざわざ言ってくれないことがありますが、こちらとしては今食べているものが島産かは気になるところ。

こうやって普通に島のお米が出てくれば「やっぱり昨日見た田んぼや話に聞いた互助システムがうまく行って、島で食べる分だけでなく外に売るほど米が採れるんだな。しかも美味しい」と自分ごととして腑に落ちます。それが、旅の思い出になるのです。

「お、隠岐牛のお店のランチ、予約できた!」お米美味しいついでにダメ元で隠岐牛店に電話したら、予約が取れました。

勢いにのって「海中展望船あまんぼう」も風が強くなってきたからダメかもと思いつつも観光協会に電話したら、10時のは運行するそうで思わず予約。今日も良い一日になりそう。カメラとレンズには気をつけないとだけど。


奈伎良比売神社を再訪

あまんぼうは10時からなので、まだ時間があると思い、昨日あまり写真を撮る時間がなかった豊田地区の「奈伎良比売神社(なぎらひめじんじゃ)」へ。

晴天の午前中なので、ツツジが咲き誇る参道の写真が綺麗に写せてとてもよい時間。鳥居から境内に至る参道を歩くためだけでも来る価値があると言えます。

同じ島に二泊以上するとこういう時間的余裕ができるのがありがたい。標準ズームレンズが昨日の事故で使えないので広角ズームを使っているのですが、普段あまり使わないのがもったいなかったと思うほど、これも楽しい。

拝殿に登る階段の脇には大きなイヌマキがそびえ、古社の風格を加えています。

こちらも平安時代からあるとされる社ですが、創建は不明。

伝説によると、伊予国を出航した奈伎良姫は、日本海に入ると暴風雨に遭うも沖に見える火を目印に進んだところこの島にたどり着き、上陸した辺りの地を豊田と名付け、産土神としてここに永住することになったと言います。宇受賀命の御子神とされていますが、宇受賀命はお隣の西ノ島の神、比奈麻治比売命と結ばれて、柳井姫をもうけたとあります。

ここ奈伎良比売神社は、明治期まで「柳井媛大明神」と称していたそうで、一説にはナギラがヤナギに変化した結果で、奈伎良姫は柳井姫の別称であるとか。とすると、伊予国からやってきた伝説はどこからきたのでしょう。そんなことを想像すると、千年以上の時の流れで失われたものや変化したものに、ほんの少し触れたような気さえします。


神社にある鉄球の正体

社への階段を登りきった脇を見ると、妙なものが置いてあります。

「この丸い鉄球は一体なんだろう・・・祭事に使うものかな」

直径1メートルほどの鉄球に、鉄の棒が三つ。ちょうど吊るすような形で付けられています。わざわざ台座まで作って置いてあるので、なにか大事なものだとは思うのですが、それなら説明看板の一つもあってよさそうなもの。

考えても全然わからないので、写真を撮ってTwitterにアップしたところ、「戦中の浮遊機雷だろう」とのこと。なんでこんなところに・・・?

今目の前にあるものは逆さまに置かれていて、実際の使用時には取っ手のほうが下になり、鉄球に開いた穴には信管が取り付けられていたとのこと。

日清戦争・日露戦争後、必要のない兵器・いわゆる産廃品は、「下賜」という名目で各府県に一括で送られ、さらに地方に配られたとか。下賜されたものなので無碍に扱うこともできず、神社に祀られた、というのが大雑把な真相のよう。

しかし太平洋戦争時には金属が不足して回収されたり、戦後もGHQの指示でこうしたものが禁止・破棄されているので、残っているものは多くないのだとか。

その場で疑問が解決されるTwitter、素晴らしい。

平安時代からある古社で、その創建の神について思いを馳せていたかと思えば、人間の業とも言える戦争の残滓にまで気が付かせられるとは。旅はいつも視点を新しくしてくれます。(続きます)

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