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ライターとして参加したデアゴスティーニ「週刊 日本の島」 全121号完結しました!

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ご無沙汰してます、いづやんです。前回のブログ投稿から2年3ヶ月以上経ってしまいました。ほったらかしていてすみませんでした!

2年以上何をやっていたかというと・・・もう記事タイトルのまんまなのですが、デアゴスティーニの「週刊 日本の島」のメインライターの一人として、数週間おきに来る締切と戦っていました。


全121号、堂々の完結!

2021年8月の静岡県でのテスト販売から翌年2022年1月の全国発売を経て約2年間、本日5月7日発刊の121号で、ついに完結しました!

いやー、僕は初期から関わっていましたが、最初の方は「この内容で週刊、本当に完走できるのかな・・・」と思いながら執筆を進めていました。大好きな島のことですし、島で出会った方々を思うと下手なことは書けないなと、毎回手が抜けない力の入れ具合だったことも大きかったです。簡単に言うと「余裕がなかった」ですね、これで2年も続けられるのかと。

それでも2年間執筆を続けて来られたのは、島の皆さんのご協力と、編集部の方々の尽力、そして読んでくださっていた読者の皆さんのおかげです。本当にありがとうございました。デアゴスティーニの雑誌・分冊百科は定期購読層がメインなので書店で見かけることはなかなかないのですが、最終号まで続いたということは多くの方に読んでいただいた何よりの証です。ありがとうございます。


執筆担当した島々

『週刊 日本の島』は毎号、有人離島3〜5島、無人島1島、しま山100選1座、が掲載されています。編集部から「この島を書いてほしい」と言われることもあれば、あらかじめ「この島が書きたい・書けます」とライターが手を挙げることもあります。

僕も思い入れがある島、または他の人があまり書かなさそうな島で行ったことのある島、を中心に担当。その通常の有人離島記事は、担当数「36島」でした。これは参加ライター陣(たぶん最終的には30人くらいいたのでは?)の中で第2位の島数とのこと。ライターとして参加する時に「有人離島は約410、そのうち1割の40島を書けたら上出来」と考えていたので、まずまずといったところでしょうか。担当島数2位なのはかなり嬉しかったですね。初期から参加していた役割を多少なりとも果たせたのではないでしょうか。ちなみに、1位は友人で島写真家の箭内博行さんだそうです。箭内さん、やっぱりすごいわ!

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通常の有人離島記事以外では、「しま山100選」が1島、写真提供のみの島が4島、でした。以下がそのリストです。

有人離島記事

・・・巻頭島

6号 宝島(鹿児島県/吐噶喇列島)
7号 日間賀島(愛知県)
8号 朴島(宮城県/浦戸諸島)
11号 神津島(東京都/伊豆諸島)
12号 南大東島(沖縄県/大東諸島)
15号 八丈島(東京都/伊豆諸島)
16号 黒島(長崎県佐世保市/平戸諸島)
17号 野忽那島(愛媛県/忽那諸島)
22号 伊豆大島(東京都/伊豆諸島)
23号 寒風沢島(宮城県/浦戸諸島)
28号 維和島(熊本県/天草諸島)
30号 長島(鹿児島県/天草諸島)
32号 久賀島(長崎県/五島列島)
36号 獅子島(鹿児島県/天草諸島)
40号 野々島(宮城県/浦戸諸島)
44号 福江島(長崎県/五島列島)
50号 馬島(愛媛県/来島群島)
55号 中通島(長崎県/五島列島)
57号 桂島(宮城県/浦戸諸島)
62号 頭ヶ島(長崎県/五島列島)
66号 百島(広島県/備後群島)
70号 二神島(愛媛県/忽那諸島)
76号 横島(広島県/備後群島)
88号 岩子島(広島県)
89号 高島(長崎県佐世保市/平戸諸島)
92号 倉橋島(広島県/安芸郡島)
93号 鵜島(愛媛県/越智諸島)
96号 釣島(愛媛県/忽那諸島)
98号 睦月島(愛媛県/忽那諸島)
101号 佐島(愛媛県/上島諸島)
106号 細島(広島県/芸備群島)
112号 樋合島(熊本県/天草諸島)
116号 前島(熊本県/天草諸島)
116号 野釜島(熊本県/天草諸島)
117号 伊唐島(鹿児島県/天草諸島)
118号 永浦島(熊本県/天草諸島)

しま山100選

80号 下甑島/尾岳(鹿児島県/甑島列島)

写真提供のみ

42号 通詞島(熊本県/天草諸島)
50号 上甑島(鹿児島県/甑島列島)
54号 下須島(熊本県/天草諸島)
55号 樋島(熊本県/天草諸島)

こうやって改めて見ると、結構壮観です。エリア的に偏りがあって面白いですね。思い入れが透けて見えるようです。宮城県の浦戸諸島、東京都の伊豆諸島、愛媛県の忽那諸島、長崎県の五島列島、熊本県の天草諸島、鹿児島県の長島列島、が多いですね。

「しま山100選」は、ほぼ全回、島ライター界の重鎮・斎藤潤さんが担当され、紀行文の形でしま山を紹介する潤さんらしいコーナーです。たまたま潤さんと飲んでいる時に、「下甑島の尾岳は実際に登ってとてもよかった」と話したところ「では、尾岳はいづやんが書いたほうがいい」と、この回を書かせてもらえることになりました。紀行文での執筆は、いつもと毛色が違ってとても楽しかったですね。


どんな感じで書いてたの?

執筆担当した島はもちろん訪れたことのある場所ですが、1度きりの探訪の場合もあるので、やはり知らないことも多い。執筆前には必ず自分の知っていること、知らないことをできるだけ詳細に調べたり、場合によっては関係者に取材します。

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『週刊 日本の島』は観光情報ではなく、地理、自然、歴史、文化、産業、などを掲載する「百科事典」としての性格を持った誌面なので、島のガイドブックやパンフレットだけでは分かり得ない情報もカバーする必要があります。

以下が、調査・情報収集でよく使っていた媒体です。事実関係の裏付けが必要なので、研究論文などを当たることもありました。

・その島の自治体発行のパンフレット/ガイドブック
・島の情報サイト
・国や自治体のサイト
・その島について書かれた書籍
・地名に関する事典

取材先については、以下のところに大変お世話になりました。直接連絡したり、知人・友人に紹介いただいて繋いでもらった方々も多いです。

・自治体(役場など)
・県の観光連盟
・その島の観光協会
・島の住民の方々

様々な分野で調べたことを、誌面に収まるように取捨選択して書き上げるのも、大変ですが楽しい作業でした。


思い出深い執筆島やエピソード

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40近い島々を書かせてもらいましたが、書いていく中で思い出深い経験やエピソードもたくさんありました。ちょっとだけ挙げさせてください。

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15号「八丈島」は、僕が一番何度も訪れている島で、執筆陣として参加する当初から「八丈島は自分が書きたい」と思っていました。島の規模や歴史、産業、文化、自然も広く深い魅力的な島です。14ページという限られた中に収めるのはとても苦労しましたが、観光協会の方々や、島の友人の皆さんの助力もあり、充実した内容にできたと思っています。八丈島には本屋が二つもあるのですが、どちらとも本棚にしっかりと並べられていて、かつ1軒は平置きで目立つようにしてくれていました。実際、島民の方によく売れたと聞いています。本当に嬉しかったですね。

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50号、愛媛県今治市の「馬島」はしまなみ海道の今治側に一番近い、橋脚が立つ島でもあります。かつては花卉栽培が盛んだった島ですが、今では実人口は7人ほど。友人の紹介で、島に1軒だけとなった花卉農家の娘さんにお話を聞くことができました。誌面では普通、その島の過去にあったことや現在の話しを書きます。人が少ない島だとなおさらです。しかし、馬島ではその娘さんが「馬島の自然の中で、子どもたちが普段できない体験を通して様々なことを学ぶ場としたい」と活動する団体を立ち上げる動きをされていて、この取材で団体名を決めるきっかけになったとおっしゃっていました。「島の未来の話し」をほんの数行でも書くことができて、僕としてもとても誇らしかったのを覚えています。

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93号「鵜島」は、これも今治市の小さな島ですが、訪れた時の印象がとてもよく「ぜひ書きたい」と思っていた島のひとつでした。訪問時に船待合所を改装した「鵜島カフェ」でお昼を食べていたら、島の方々が集まり始めて色々なお話しを聞かせてもらいました。その時に「よかったらこれを」といただいたのが『鵜島風土記』という島の歴史や文化をまとめた冊子。これが執筆時にとても役に立ちました。友人の紹介で、島出身の方に繋いでいただいて細かいお話しを伺えたり、『鵜島風土記』を編集された島の方にも「島の今」をお知らせいただき、ますますこの島のことが好きになりました。そうそう、93号は「鵜島カフェ」にも置いていただいているそうですよ!

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92号「倉橋島」は島の歴史や文化も深く、書くのになかなか苦労しました。呉市役所の各所に色々ご尽力いただいたのですが、呉観光協会の方とも頻繁にやり取りさせていただき、大変お世話になりました。書き上がったところで内容を確認いただいたのですが、「倉橋島についてここまで書かれた雑誌は見かけたことがないので、大変だったのではないか。観光というより、歴史・文化面を深堀りしてくれていて素晴らしい」のお言葉をいただいて、感無量でした。大観光地がある本土の大きな自治体に所属している島は、どうしても情報発信が薄くなりがちなので、その点をカバーできていると評していただけたのはライター冥利に尽きます。

他にも、たくさんの島の方々とやりとりしたり、心温まるエピソードや気付きが色々ありました。改めて感謝を述べたいと思います。ありがとうございました。


他のライターの方々と同じ誌面で執筆できて感謝

エピソードではないですが、『週刊 日本の島』のライター陣には、島好きであれば知らない人はいない方々が多く参加されています。監修には、日本のほぼ全有人離島を訪れた加藤庸二さん、同じく全有人離島訪問のライター斎藤潤さん、島写真家の箭内博行さん、旅作家の小林希さん、などなど。この皆さんと同じ誌面で掲載されたというのは嬉しいですね。執筆中は色々と情報交換もさせてもらえました。

また、途中から友人も数人ライター陣として参加したりと、さらに輪が広がって行って、121号達成できたのは、何か島旅界隈の総力戦のようなものに感じられて、「締め切り大変だけど頑張ろう」と思えたのでした。


今後について

2年間、所属している会社の仕事をしながらの執筆だったので、とても大変でした。昼間は会社仕事、夜は執筆、とまさにダブルワーク状態です。ふらっと島に行く時間がなかなか作れませんでした。

7月からは環境がガラッと変わり自由になる時間が飛躍的に増えるので、島を巡りつつ色々と書いたり、情報発信を進めて行きたいと思います。もちろんすっかり止まっているこのブログの再開やリニューアルもしたいですね。

もちろん、島に関する執筆のお仕事も待ってます!!

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