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「隠岐諸島」旅 その5(島後・海士町) 駐禁のない島で、隠岐神社に参拝する

2016年の隠岐の旅の第五回です。旅の二日目はもう島後を離れ、島前エリアの海士町こと中ノ島に渡ります。


午前中には島後を離れ、海士町(中ノ島)へ

朝の景色でも撮りに行ければと思い5時にアラームをセットしていましたが、窓を揺らす風の音が強く布団から出るのをためらうほど寒かったので、二度寝して6時起床。支度をして7時には品数豊富な朝食をいただき、7時半にはチェックアウト。

この後乗る船の出港時間は8時30分。それまでほんのわずかな時間ですが、近所を見て回ることにしました。

宿のそばに架かる西郷大橋を越えると、海を見下ろす丘の牧草地帯。牛が放牧されているのが見えます。ひとしきり写真を撮っていると、もう港に向かう時間。

ターミナルに入ると結構な人がいてちょっと気圧されますが、みんな本土に行く高速船(ジェットフォイル)に乗るようです。僕が乗るのは次の目的地、海士町(中ノ島)へ渡るフェリーしらしま。

乗り込んだフェリーしらしまはゆっくり岸を離れていきます。それほど人は乗っていません。

昨日より風があるからか、少し船は揺れますが、50分ほどの船旅でお隣の島前エリアの海士町(中ノ島)、菱浦港へ到着。

普通、島は島名で呼ぶことが多いのですが、ここ中ノ島は自治体名の海士町の方が圧倒的に有名です。地方創生・地域おこしの先進地として注目されているので自治体名の方が先行しているのかもしれません。

そんな海士町のターミナル「キンニャモニャセンター」に降り立った第一印象は、「なんだかオシャレ」。

観光協会、レストラン、海士町のお土産や物産を売る売店などがあります。

ターミナル内に掲げられた「ないものはない」のキャッチコピーがどどんと入ったポスターもまぶしい。

「ないものはない」は「無くてもよい」「大事なことはすべてここにある」という、海士町という離島の良さを象徴する言葉として、僕も以前から知っていました。

さて、そんな「ないものはない」と言い切る海士町を見て回ることにします。


レンタカーを借りる時、島に駐禁がないことを知る

キンニャモニャセンターのすぐそばにある「隠岐レンタ・リース」で、予約していたレンタカーを借ります。
(この隠岐レンタ・リース、本社は島後(隠岐の島町)で、2016年当時は海士町でもレンタカー事業をやっていたのですが、僕が借りた2016年の10月に海士町営業所の休止が発表されています。2021年3月現在、海士町でレンタカーは借りられなくなっているようです・・・)

島の見どころなんかを色々と親切に教わりますが、ひとつ結構びっくりすることを言われました。

「宿まで行っても車止めるところがないと思うんですが、海士町には駐禁がないので、海岸の辺りに停めておけば大丈夫だと思いますよ」とのこと。島ですねえ。

僕がよく行っている八丈島は結構厳しくて、みんなちゃんと駐車場に停めていたのですが、島によってそもそも駐車禁止区域とはなっていないところもあるとは。

ひとまず宿に荷物を置かせてもらい、車で10分弱のところにある「隠岐神社」を目指します。空は晴天。

と、ここで島内放送が入り、高速船(ジェットフォイル)の欠航が告げられます。確かに島後から海士町に来るフェリーも結構揺れてました。

「早速盛り上がってきたな・・・」

僕の島旅はいつも強風による欠航と背中合わせです。明後日にはお向かいの西ノ島に行くのですが、フェリーだけでも動いているといいな・・・。ただ、島にいる分には風はまったくと言っていいほど感じられないので実感がないんですが。


実は古くて新しい隠岐神社

そんなことを思いながら到着した隠岐神社は、鳥居が立派です。

入り口に掲げられた看板を見ると、創建は非常に新しく1939年(昭和14)。祭神はここ海士町に流された後鳥羽天皇。

本来は、行在所だった源福寺に隣接した場所に後鳥羽天皇の火葬塚がありましたが、江戸時代に廟が創建され、さらには島民の手によって祠が立てられたそうです。

源福寺は廃仏毀釈の影響で一度廃寺となるものの復興、隠岐神社のそばに移転しています。後鳥羽天皇崩御700年にあたる1939年、この火葬塚の隣に創建されたのが隠岐神社、というわけです。神社自体は新しくとも、その歴史はやはり鎌倉時代から続いているものだったのですね。

鳥居から続く参道は桜並木で、あと1ヶ月早かったらさぞ素晴らしい景色が見られたでしょうね。

参道の途中には土俵があります。調べたところによると、秋の例祭で島内の小学生による奉納相撲大会が催されるとか。

しばらく行くと、大きな門があり、くぐると広々とした境内、隠岐造りと呼ばれる様式の重厚な拝殿が姿を現します。銅板葺きの屋根が、春の日差しに照らされています。境内は大型連休中だというのに、自分の他にはもうひとりいるのみ。雅楽のBGMがうっすらと流されているのみで、静かです。

拝殿、本殿に、祝詞舎、神饌所、祭器庫、宝物館、神門回廊、社務所が境内をぐるりと囲んでいます。祭器庫にはその名の通り、祭りで使われるであろう神輿が置かれています。

拝殿で手を合わせて旅の無事をお願いしてから門のすぐ脇の社務所を覗きますが、人の気配がありません。御札とか並んで窓も開いているのに誰もいないのが、なんとも島っぽい。そばのお家に声をかけると女性が出てきたので、御朱印をいただくことができました。

そうこうしているうちにも他に人が来る様子はなく、静かな境内をゆっくり歩くことができます。この海士町には今日と明日の二泊する予定なのでのんびり回れます。

車のところまで戻ってきてそばのバス停を見ると、時刻表がしゃもじの形。

そういえば、菱浦港のキンニャモニャセンターの目の前にもしゃもじを持った像が立っていました。「キンニャモニャ」とは隠岐の民謡のことで、皆しゃもじを持ち民謡に合わせて踊るのだとか。なんというか、ちょっと見てみたいものです。(続きます)

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