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「隠岐諸島」旅 その6(海士町) 行列の隠岐牛店を諦め、船渡来流亭で岩がき春香と再会する

2016年の隠岐の旅、第六回です。島後から海士町に渡り、まずは隠岐神社へ向かったのでした。境内を見終わるとお昼の時間が迫っていました。


島旅の定番、ランチ難民になりかける

「そろそろ昼前だし、早めにお昼を食べに行こう」

普段都市部に住んでいると、14時を過ぎても何かしら食べるところがある環境のせいか、旅先でうっかりをやらかしがちです。

すなわち「離島でランチ難民」という救いがたい状況。あまり下調べをしない性格からか、そもそも島にお昼を食べるお店がなかったり、14時を過ぎるとどこもかしこも営業終了、なんてことはザラ。

今回の旅も、早速行きの船に乗り遅れて菓子パンのブランチだったりしたので、慎重に行きたい。

11時半を過ぎた辺りで一度菱浦港近辺に戻ります。お目当てのお店があるのです。

昨日、島後の宿で出された牛肉に思わず「隠岐牛ですか?」と聞いてしまって「違います」と気まずい返答をもらったばかりですが、ここ海士町ではその隠岐牛が食べられる店があると聞き、開店直後を狙ってきたのでした。

「めっちゃ並んでるうう!!」

膝から崩れ落ちそうになりました。え、まだ正午前ですけど? 港とか神社とか、全然いなかったのにどこにこんな人が・・・。いや、まだ店内に通されてないだけかもしれない。念のため店の前まで行ってみよう。

「本日はご予約で満席です」

ばっちり張り紙がされていました。マジか・・・そんな人気店なのか。確かにブランディングがうまく行って、有名ブランド牛にも引けを取らない値がつくようになったとかいう話しを聞いてはいましたが・・・。


愛しき岩がき「春香」との再開

ここで不用意に店を探し回っても見つかる頃には昼の営業は終了、となりかねないので、港の玄関口・キンニャモニャセンター二階にあるレストラン「船渡来流亭(せんとらるてい)」に入ります。

店内は思ったより広々して、大きなガラス張りの窓からは港と海の様子が一望できます。ここもゴールデンウィークのお昼だからかお客の入りはよかったです。それにしてもどこにこんな人が・・・。

ここは奮発して、新鮮な白いか(ケンサキイカ)のお造りと海士町名産のブランド岩牡蠣「春香」がセットになった「スペシャルコロニー定食」2100円を注文。

僕は牡蠣が大好きなのですが、初めてブランド牡蠣の名前を覚えたのがこの「春香」でした。新宿のオイスターバーで食べた時に抜群に美味くて、それ以来メニューで見かければ必ず注文するほど。ここ海士町のものと知ったのはしばらく経ってからですが、こうやってその島で食べることができて感無量。

一口で頬張れば、濃厚な味わいと潮の香り、ぷりぷりの身が口の中で弾けます。

「悲しい・・・一瞬で終わってしまった・・・口を開けておくので次々流し込んでほしい・・・」

極上の味わいはほんの一瞬で終わりました。あとは多幸感と寂寥感のせめぎあいが残るのみ。

とはいえ、白イカの刺し身と和え物もうまかったので良しとします。

隠岐牛も惜しかったですが、岩牡蠣春香との再会もまた、素晴らしいランチでした。

ランチ後は、キンニャモニャセンターの1階にある漁協直売店「大漁」を覗いてみると、岩牡蠣春香や島の海産物が売っていました。ここでも買えるんですね。正直ちょっと迷いましたが、テレビで放映されたあとでどうも品薄になっていたようでした。


海士町はお米の島

午後は島の地図を広げて、なんとなく気になるところへ行くことにします。

島の北側に「宇受賀命神社(うづかみことじんじゃ)」というちょっと変わった名前の神社があるのが気になり、向かうことにしました。

途中、今度こそ「隠岐牛」であろう牛が放牧されている様子を眺めたり、道沿いに田んぼが広がっている中を走り抜け、宇受賀地区へと至ります。

田んぼは代かきが終わり、田植え前に水が張られている状態。

離島の田んぼや畑は、休耕地や耕作放棄地が目につくことが多いのですが、ここ海士町は行く先々の田んぼにちゃんと水が張られています。そんなところもやっぱり地域おこしがうまく行っている成果の表れなのでしょうか。

そういえば、キンニャモニャセンターの農産物直売店「しゃん山」では、海士町産のお米が売っていました。売るほどしっかりとお米を作っている、ということなのでしょう。

田んぼ沿いの道はやがて少し細くなり、昔ながらの集落の中を抜けていきます。左右を林に囲まれた道が開けたと思うと、左手に鳥居、さらにその奥に神社が見えてきました。

なんと印象的な場所。ここが、宇受賀命神社でしょう。(続きます)

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