「利尻島・礼文島」旅 その8(利尻島) 利尻昆布出荷作業を見学し、オタトマリ沼で絶景を堪能する
2016年の利尻島・礼文島旅のレポート、第8回です。沓形でウニ丼と愛す利尻山を堪能。南へと向かいます。
利尻昆布の出荷作業を見学
次の町、仙法志へ向かう途中、道路脇の歩道に紐でまとめられた利尻昆布の束が置かれているのが目に入りました。
干してある昆布は昨日見ましたが、そもそもどうやって出荷してるのだろうと興味が湧き、原付を止めて昆布の束に近寄ります。
そばの倉庫の中で、おばあちゃんが一人作業をしています。
「こんにちは、昆布の束が道に置かれてたので気になって・・・」声をかけてみました。
「出荷する昆布をまとめるのに、端をこうやって切って形をよくしてるの」
乾燥して固くなった昆布の端をハサミで切って長さを揃えて、紐で縛ってまとめているそう。
「道に置いとくと、たまに持ってっちゃう人いるんだけどね」と笑いながら教えてくれました。確かに無造作に並べられてるので、なんだこれはと思ってしまいます。しかしやっぱり持っていく人がいるのか。
作業の様子を少し見学させてもらっていると、「これ上げる」と昆布を一枚くれました。かじっても全くちぎれなかったので、おばあちゃんが笑ってハサミで一口分切ってくれます。残りはリュックの中へ、切ってくれたものはその場で口へ。濃厚な昆布の旨味と潮の香りが口に広がります。分厚かったので結構長い間かみ続けていました。
お礼を言って、先に進みます。
利尻点景
道沿いに赤い鳥居。橋が掛けられている先は「北のいつくしま弁天宮」という社です。社が建てられているのが「龍神の岩」。
色々謂れのある岩と社のようですが、海をバックに佇む姿は絵になります。
さらに南に進むと、道の脇に東屋らしきところが。看板には「麗峰湧水」と書かれています。
屋根の下には岩から結構な水量の湧き水が流れ続けています。利尻富士に降った雨や雪解け水が長い時間をかけて濾過されて染み出してきているそうです。水に触れると湧水のためかなかなか冷たい。
北海道の山の水はエキノコックスが怖いところで、さてどうしたものかとしばらく眺めては写真を撮っていたのですが、地元の配送業者の人がやってきてペットボトルに汲んで、その場で飲んで帰ったので大丈夫だろうと判断。実際、利尻島にはエキノコックスを媒介するキタキツネはいないそうですね。
水を飲むと、冷たくてまろやかで美味しい。地元の人に愛されているのもわかります。
道は島の南側、仙法志に入ります。町や灯台の写真をいくつか撮影。
南浜漁港では、港とその向こうに聳える利尻富士をひとつの画面に収めることができました。
南側から見る山は、午前中に見た西側のものとはまた違っていてしばらく眺めていたくなるほど。手前の漁港の景色が利尻島ならではを感じさせます。
オタトマリ沼
島の南端の仙法志、南浜を過ぎると道は北東へ向きを変えます。
オタトマリ沼は利尻島の南東に位置する沼で、島随一の観光スポットとも言えます。それは近くの駐車場まで言ってみるとよく分かります。
「なんか、急に観光地然とした場所に出たな・・・」
大きな観光バスが何台も止まれるほどの駐車場に、お土産屋とレストハウスまであります。どこにこんなにいたのか、観光客も結構います。あまりお腹は減ってなかったので、お店を横目で見つつ駐車場からすぐの見晴台に向かいます。
「おお、これは雄大な景色だ!」
群青の沼を囲む湿原、その向こうには利尻富士。実にいい眺めです。惜しいのは、風があって沼にさざ波が立っていて利尻富士の映り込みが拝めなかったこと。それでも雲の少ない晴天でここに立てたのは運がいい。
「オタトマリ」とは、アイヌ語で「オタ・トマリ(砂・泊地)」だそうです。この沼そのものの名前ではなく、近くの砂浜を含めた地名でしょう。
オタトマリ沼の周囲には遊歩道も整備されているそうですが、借りた原付を返す時間まであと1時間ほどなので、歩くのは諦めました。
海の駅 鴛泊フェリーターミナル
「お、利尻富士にかかってる雲が晴れてるな、姫沼で逆さ利尻富士に再チャレンジできそう!」
と、帰路の途中にある姫沼へ急ぎます。が、しばらく走って次に利尻富士が見えたときにはまたもや山頂に雲。しかたなく鴛泊港へ戻ることに。
港のお土産屋で色々お土産を買って自宅へ送る手配をし、フェリーターミナルに入ってみます。
2014年にリニューアルした綺麗な施設で食堂やカフェまであります。2階に上がるエスカレーターがありますが、利尻島で初めて設置されたものとして話題になったとか。
一番目を引いたのは、利尻島の風景を背景に撮れるプリクラ。とても気になりましたが、おっさん一人でプリクラを撮るのもどうかと思い断念。
やや後ろ髪を引かれつつ、原付を返却して宿に戻り、利尻富士の見えるミーティングルームで休憩。夕暮れ時の景色も期待できそうです。(続きます)
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