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「隠岐諸島」旅 その18(西ノ島) 帰りの港で御朱印をいただき、喫茶店で船旅の情報を得る

2016年の隠岐の旅、第十八回です。旅も6日目、最終日です。果たして、無事に帰れるのでしょうか。


風の音がしなくなった

朝6時ごろに目が覚めると、昨日一昨日と台風のように宿を揺らしていた風の音がしなくなっていました。

「風の音がやんだか」

窓を開けてみると、港の波も収まっているように見えます。

6時半になると島内放送が。高速船は一部欠航、フェリーは全便運航との報。

「今回は読み勝ち! 予定通り帰れる!」と一人ガッツポーズ。旅から帰りたくはないですが、勤め人の悲しい性かな明日から仕事なので帰らないわけにはいかないのです。

荷造りをし、レンタカーを返す時間まで少し島を見て回ります。別府港とは山を越えて逆側、北の耳浦海水浴場へ出るとキャンプしているライダーが二人。あの風の中、大丈夫だったのでしょうか。

そんなに時間もないので別府に戻り、後醍醐天皇を祀った黒木神社へ。

ここでもロシアの戦艦の砲弾が祀られていました。ロシアの戦艦を撃沈して35年後に海中から引き上げたもので、戦勝を祝して奉納されたものだそう。海士町の奈伎良比売神社にあった浮遊機雷を思い出します。6日間の旅もあっという間でした。

黒木神社の境内には、ここ西ノ島に流された後醍醐天皇の御座所跡があります。

そんな、古代と近世の歴史のモニュメントが同居している隠岐の神社、やっぱり面白いです。次に来る時は、そのあたりのことをもっと勉強してから来よう。


美田八幡宮と木造の旧校舎

レンタカーを返却後、歩いて美田八幡宮へ。ここも境内に土俵があります。 帰るには惜しいほどの晴天と穏やかな風。

すぐそばの木造の校舎が青空に映えています。

玄関には「西ノ島中学校」とありますが、他の地図で調べてみると、旧黒木小学校ともあります。小中学校併設だったのでしょうか。あとで調べてみると、この年の8月に西ノ島小中学校の新校舎が浦郷地区に完成し、旧校舎となっているのは確かなようでした。

入り口の作りも、他ではあまり見かけない引き戸に瓦葺き。これをそのままにしておくのはもったいない。今はなにかに使われているのか、気になります。


港の観光協会で由良比女神社の御朱印をゲット

そういえば朝食を食べていないことを思い出しました。港で先に帰りの船のチケットを買って、隠岐汽船の二階の喫茶店に行こうと思い立ちます。

帰りのフェリーのチケットを無事手に入れ、観光協会のカウンターを覗くと、友人が言っていたように由良比女神社と焼火神社の書き置きの御朱印が置いてありました。由良比女神社のを、自分のと友人の分購入。

ふと横を見ると、昨日摩天崖から浦郷への道で車に乗せたポーランド人の女性の姿があります。聞けば、これから海士町へ渡りしばらく滞在した後、島後にも行くそうです。僕と逆の旅程ですね。知夫里島へも行ったのかは聞き忘れました。

「今日は風がなくてちょっと残念」

と笑っていました。日本人でも来づらいこんなところに来る人は、さすがにたくましい。


隠岐汽船二階の風花で有益な情報を得る

朝食を食べに、二階の喫茶店「風花」へ。カウンターに座るなり、店のおばちゃんが「やっと帰れるねえ」と笑いかけてくれました。顔、覚えられてましたか。あんな暴風の時に帰らずに残る旅人も珍しいのでしょう。

「今日のフェリーは混むよ」

確かに、昨日一昨日と帰れなかった人が詰めかけるわけですし、覚悟はできています。

「船内の売店でゴザ貸してくれるから、それ敷いて通路で寝ればいいよ!」

隣に座っていた地元のおじさんが教えてくれます。お、ここの船でもそういうサービス、やってるんですね! 確かに行きにそうやって通路に寝転がってる人がいました。

「昨日の観光のお客さん、船が全便欠航で海上タクシーを教えてあげたんだけどそれも行かないって言われて。でも泊まる予定の海士町の宿が漁船持ってるからそれで迎えに来て、浦郷で乗せてもらって渡っていったよ」

「え、あの風で漁船出してくれたんですか!?」

「ここは天候悪くなったら『なんでもかんでもダメ』って言うからダメなのよ」とおばちゃんは笑いながら言います。

僕も伊豆諸島の御蔵島で島に閉じ込められそうになった時は、漁船でお隣の三宅島に渡してもらって、そこからフェリーに乗って帰ったなあ。最後は漁船、というのは島なら当たり前なのかもしれません。

コーヒーとホットケーキ、有益な情報のお礼を言ってお店を後にします。


行きに船に乗りそびれた経験を活かす

船に乗る前にもう一つ、やっておかなければいけないことがあるのです。

今日の船が混んでるということは、船を降りてから空港への足も取り合いになる可能性があるということ。行きの船に乗るのに経験したことがここで活きてきます。

境港付近の港タクシーに電話をし、港への配車をお願いします。後顧の憂いもなくなり、安心して船旅を楽しめるというもの。

フェリーしらしまは、定刻より10分遅れて接岸。後ろ髪を引かれる思いで、でもほっと一安心している自分も感じながら、乗り込みます。

船内は案の定ものすごい人で居場所がありません。荷物をどこに置こうかウロウロ。

「こんにちは! やっと帰れますね」と声をかけてくれたのは、海士町の宿で一緒だった母娘。座敷を確保していたので、荷物をそばに置かせてもらえました。

船は10時40分ごろ、西ノ島別府港を出航。売店で買った缶ビールを開け、旅の終わりを祝します。

歴史と絶景にあふれ、様々な出会いもありました。また違う季節に訪れたい場所が数多くできました。今回行けなかった知夫里島へも必ず足を伸ばしたい。

島旅は、毎回山のような宿題を一緒に抱えて帰ることになります。いつかそれを提出しに、また島に戻ってくるのです。(隠岐諸島旅・了)

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