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「忽那諸島」旅 その16(二神島) 二神島の漁村風景に旅の終わりを感じる

すっかりブログ更新の間が開いてしまいました。どうも、いづやん(@izuyan)です。

津和地島を出航した船は、この旅最後の地、二神島(ふたがみじま)に向かいます。


安養寺と宇佐八幡神社

船は15分ほどもすると、二神島の港に到着しました。船を降りる人もまばら。観光客は明らかに僕一人です。

ここ二神島は、昭和47年(1972年)に「ナショナルジオグラフィック」誌に「近代化されず、日本古来の美しさを多く残したパラダイスの島」と紹介されたことがあるそうです。

時計は15時に差し掛かろうかというところ。師走だともう日が傾き始める時間です。

港前の待合所にも人影はなく、まずはあてもなく歩き始めることにします。

最初に目についた安養寺というお寺。もちろん境内には誰もいません。お堂で静かに手を合わせます。この裏山には、山口から移住した二神家の600年に渡る墓が残っているそうです。

海岸沿いを東に続く道を歩くと漁港が広がっていました。ここも漁業で栄えた島なのが伺えます。

誰もいないかと思いきや、漁船で作業中のおばちゃんがいたので声をかけてみると、「じゃこ(ちりめんじゃこ)が穫れるんよ」とのこと。

集落の入り口付近にある「宇佐八幡神社」。

少し長い階段を登ります。

境内にたどり着くと、大きな木が体を横たえていました。どうやら腐っていつ倒れてもおかしくない状態だったので、そうなる前に切ったようですね。


時間の止まったような集落を歩く

宇佐八幡神社を過ぎると二神島の集落に入ります。ここも、睦月島と同じように古い町がそのまま残っているような場所。

時間が夕方に差し掛かっている頃だからでしょうか。道を歩いたり井戸端会議をしているお年寄りの姿が多く見られました。

旅を始める前の計画では、ここ二神島に二泊目を取ろうと思っていたのですが、島唯一の宿の「ふたがみ荘」は前の年くらいに廃業したということでした。宿の前まで行ってみると確かにもう営業はしていない模様。

こうやって島に滞在する機会が減っていくのも旅人としては悲しいことです。


軒先が触れ合うような集落の道で迷う

「観光スポット」と呼べるものがないと思っていた二神島ですが、休校となった二神小学校跡があるというので、集落の中を縫う細い路地に足を踏み入れました。

路地好きにはたまらない場所が随所にあります。

180904_18.jpg

集落の建物は山の斜面に建てられているので、路地はだいたい上り坂になっています。上がり続けていくとやがて見晴らしのいい高台に出ます。

二神島の集落を一望します。日暮れが迫っていることもあって、息を潜めているかのような静けさ漂う風景が広がっていました。

海を目の前に瓦屋根の集落が広がる様子は、瀬戸内の情緒ある漁村と言った風情です。

一旦集落のメインストリートまで降りてまた別の路地に入って上り、を繰り返しても結局小学校跡は見つけられず。しまいには自分がどのへんにいるのかわからなくなってきたので諦めました。

学校がなくなり、島に就学児童の姿もなくなって久しい二神島も急速に過疎が進んでいる島です。次にこの島を訪れる時にどうなっているのか、気になるところでした。

夕日が島の影に隠れようとする頃、船の時間も近くなってきたので待合所まで戻り切符を購入。


旅も終わり

帰りの船の切符を買い、そばの桟橋で休憩していると地元の人達が釣りをしているのが見えました。今日の晩ごはんを釣っているのかもしれませんね。

夕暮れをバックに高速船が接岸し、乗り込みます。忽那諸島を離れる時間です。

結局、この航路にある釣島には足跡をつけることができませんでしたが、知り合いも増えたので、また来ることになると思います。

自分にとって初めての瀬戸内の島は、どこか懐かしい景色にあふれていて、気さくな方々との出会いがありました。また、帰ってきたい場所が増えたのは間違いありません。

船はやがて終点の高浜港に着き、二泊三日で6島を巡る旅は終わりを告げたのでした。最後に松山に住んでいるTwitterのフォロワーさんと空港で会って軽くお茶。

その時にメニューにあったのが、旅してきた中島産のミカンをつかったスカッシュ。思わず注文して、旅の余韻に浸るのでした。(忽那諸島旅・了)

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