「忽那諸島」旅 その6(野忽那島) 皿山からの眺望と島に一つしかない自販機を求めて
世間はゴールデンウイーク。僕は肩の骨折のリハビリが終わってないので旅に出ずにゴロゴロしています。どうも、いづやん(@izuyan)です。
忽那諸島旅の第六回、忽那諸島二番目の島、野忽那島(のぐつなじま)に到着しました。この島も事前情報一切なし。どんな風景を見せてくれるのでしょうか。
皿山に登る
港に立てられた野忽那島の地図を見て、まずは待合室の裏手からすぐに登れる「皿山」の展望台を目指します。
いわゆる遊歩道的な道を登り始めてすぐに、案内看板が立っているのが目に入ります。
「←港(シーサイドロード) 頂上(青春の桜道)→」
一人で少しだけ気恥ずかしくなりながら先に進みます。
ここ数日は誰も通ったことがないのがはっきりわかる、ふかふかの落ち葉で覆われた道は、広さも十分確保されていて、木道の階段もしっかり整備されていました。
15分ほど林の中を歩いたでしょうか。最後にひときわ長い階段を登りきるとそこが皿山の頂上です。
東屋が建つ以外は周りに遮るものもなく、野忽那島の集落、忽那諸島の島々のみならず、愛媛本土や広島側の島々も一望できる素晴らしい眺望が待っていました。
「何にもなくないじゃないか」
思わず言葉がこぼれます。
「なんもない!!(笑)」と笑った島のおじさんの言葉をはなから信用してませんでしたが、それにしてもこんな風景を見られるスポットがあるなら胸を張って言ってほしかった、と少しだけ複雑な思いが頭をもたげます。
ぐるっと見渡すと、西に傾きかけた日が海に光を投げかけ、行き交う船に影を落としていたりします。
皿山から見下ろす野忽那島の集落は動くものも見えず静まり返っています。
東屋には周辺の島々の地図が載っています。さっきまでいた睦月島、今日泊まる予定の中島が見えます。
東屋のすぐそばには、戦時中の監視所の一部が今でも残されていました。適当な石をコンクリで固めた壁の一部が今も海風を受けています。
ちなみにこの皿山の頂上は、2003年公開の映画「船を降りたら彼女の島」の木村佳乃演じる久里子の生家がある場所として設定されているそうです。実際の場所に立つと結構ワイルドな場所だと思いますが、映画ではどう描かれているのか、気になります。
静かな集落と島に一台だけの自販機を求めて
皿山での多島美を堪能したあとは、眼下に見えた集落を歩きます。目的は特にありませんが、商店が1軒あるようなことを聞いていたのでそれを探してみることにします。
古い家屋ももちろんありますが、比較的最近建てられた家が多いのが、睦月島と違います。理由は最後まで分かりませんでしたが。
集落を練り歩いて「有馬食品店」という看板を見つけて小躍りしたもの束の間、明らかに営業はしていなさそうでした。
帰ってから調べてみると、以前は商店や駄菓子屋、お好み焼き屋などがあり賑わっていたそうですが、今はもうなくなっているそうです。
僕が見た商店と思しきものは、すでに廃業していたお店だったようです。
そうは言っても飲み物が買いたいなと思い、自販機を探してみますが見当たりません。Twitterで友人が「野忽那島には自販機がひとつだけあるみたい」と教えてくれましたが、集落内を歩いてもその場所を見つけられませんでした。
こういったものは大体港近辺か大きな通りにあるものと相場が決まっているのですが、歩きまわっても見つけられず。
誰かに聞こうと思っても通りを歩いている人もまったくいない、静かな島の午後でした。(続きます)
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