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「忽那諸島」旅 その3(睦月島) 焼杉の集落とミカンで彩られた山を歩き、島四国に驚く

気がつけば2月ももう残りわずか。まだまだ寒い日が続きます。どうも、いづやん(@izuyan)です。

愛媛の忽那諸島(くつなしょとう)旅の第三回をお送りします。松山空港からバス、電車、船を乗り継ぎ、最初の島、睦月島(むづきじま)に到着しました。

鄙びた島の空気が実にいい

フェリーから降りた数少ない乗客のうち、観光客はどうやら僕だけのようでした。他の人たちは港に残ることもなく足早に集落の中に消えていきます。

「さて、どうしよう」

いつものことなのですが、初めての島は新鮮な驚きを大事にしたいのであまり事前に詳細を調べていくことがありません。

睦月島に何があるかももちろんわかりません。港にあった島の地図を見ますが、ざっくりすぎて結局よくわからない。島あるあるです。

船の待合所に入ってパンフレットがあるかと探してみましたがこれもなし。

実はこんなこともあろうかと、この旅の1ヶ月前に開催された離島の祭典「アイランダー」で、忽那諸島のパンフレットをブースでもらっていました。ただ、あまりそれを広げることなくまずは歩いてみることにしました。

港周辺に広がる集落は、焼いた木の板を壁に貼った家々が並んでいます。青空に黒っぽい家屋が並ぶ姿はどこか郷愁を覚えます。

ちなみにこの焼杉という技法はなぜか西日本にしか広まっていないそうです。

ところどころに、収穫したミカンを入れるであろう木の箱が積まれています。

軒が触れ合わんばかりの狭い路地も島っぽさに溢れています。

天気はどこまでも穏やか。12月ということを忘れそうです。


山はミカンだらけ

港で海を背にして左側の方へ集落を歩いていくと、やがて登り坂になり、周囲が林となってきます。

顔をあげると、木々には大きな柑橘がたくさん生っていました。時期からすると伊予柑でしょうか。

高台に登ると集落が見渡せます。周囲を丸々とした柑橘が彩っています。

手前の木々から集落の向こう側の山肌へずっと柑橘畑が続いているようです。まさにミカンの絨毯と言った風情。

「シマダス」のキャッチコピーにあった通り、確かに「ミカンの島」です。

ところどころに、山がちな島でたまに見かける農業用のモノレールがあります。しかも結構な勾配を縫っているように見えます。

山道を歩いていると、今まさに収穫作業中の家族が、そのモノレールに乗って山に上がっていくところを目にしました。中学生くらいの子どももいたのでおそらく一家総出なのでしょう。

僕も一度でいいからこのモノレールに乗ってみたい。しかもこの島だと山の勾配が結構きつそうだからなおのこと楽しそう。


道端にやたらとある仏像

農家さんの苦労を知らないのんきな考えを巡らせながら道を歩いていると、ふと道端に結構な頻度で仏像が置かれているのに気が付きました。

「第八十七番 長尾寺」と番号とお寺の名前が書かれているこのお地蔵さんは、お遍路の札所のようですね。

帰ってから調べてみると、「島四国」という、島の中で四国八十八箇所霊場を再現して巡ることができるものだそうです。

瀬戸内のあちこちの島でこの「島四国」が開創されており、島によっては数多くの巡拝の方が訪れるところもあるとか。

睦月島は歩いても2時間ほどで一周できてしまう島。そんな島に八十八ヶ所もの札所があるのが少し不思議です。

島の中央部も歩くとして3時間、60分×3=180分と考えると、180分÷88箇所=約2分。

2分に1回札所に到着する計算です。

そんな適当な計算をしながら歩くわけですが、島の西側の山道では2分ではなく5分に一度程度でした。時には、複数の札所がまとまっていたりと一定ではありませんでしたね。

そんな睦月島の島四国の札所、全部回ってみたくもありました。(続きます)

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