「与那国島」旅 その14 豊年祭見て想う、旅のジレンマ
楽しさと厳かさが同居しているお祭りの場はとても好きです。どうも、いづやん(@izuyan)です。
与那国島旅の第十四回をお送りしますね。朝、豊年祭の神輿行列を見かけた後の昼間は島内を巡りましたが、祖納に戻ってくると辺りは祭りの賑やかな空気が漂っていました。
体力の無さが奏功?
昼間あちこちに行って写真を撮っていましたが、八重山諸島の日差しにやられて大分へばってきました。時間は午後3時。日が暮れるまでには大分時間があるのですが、宿に戻ることにしました。
スクーターを祖納に向けて走らせると、集落に近づくにつれてなんだか路駐している車が多くなってきました。人通りも島の昼間にしては多いです。
人の多い方へ向かってみると、朝通りがかりに見かけた十山神社(十山御嶽)に人が集まっているのが見えました。境内にはいつの間にか幟の他にパイプテントやらシートで天蓋が作られています。
聞こえてくるのは三線と民謡の唄声。スクーターをその辺に停めて神社に近づきます。
豊年祭の奉納舞踊
神社の入り口には境内を見ている人、祭りの着物姿で出番を待つ人ですでに人だかりができていました。
おそるおそる人だかりに紛れて神社の外から中を見ると、ビニールシートで作られた天蓋の下、太鼓を叩く男衆、三線を鳴らし歌う唄者、それに合わせて舞踊している女の人、周りに座って見ている人々の姿がありました。
今朝見かけた静かな境内は大掛かりな祭りの舞台に変わっていたのでした。
ここで「そういえば島に着いた夜に、どこからか太鼓の音が聞こえてきてたけどこの練習だったのか」と気が付きました。
しばらく神社の入り口から境内をうかがっていましたが、意を決して境内に入ります。ここではよそ者。なるべく目立たないように座ってる人たちの後ろから祭りの様子を眺めます。
奉納の舞踊も様々
歌に合わせて舞踊をしているのをしばらく見ていましたが、一度きりではなく次々と入れ替わっていました。
舞う人の年格好、人数、もちろん舞自体も違うものです。後で調べてみると、島の各公民館ごとに保存されている舞踊が違うのだとか。一覧を見てみましたが、思ったよりずっと数が多くて驚きました。小さい島なのに、いや他の島とも離れている孤島だからこそかもしれませんが、文化の多彩さを思い知ったように感じます。
踊りに合わせて演奏される民謡も素晴らしいです。詳しいことはわからないのですが、沖縄の民謡は好きでiPhoneにも数枚のアルバムが入っているくらいです。
境内の外では出番を待つ大人や子供が待機していました。緊張している様子でしたが、一様に楽しそうなのが印象的でした。
境内にはかなりの人がビニールシートに座ったり立ったりして思い思いの格好で、舞踊を眺めていました。
棒踊りなるものの存在を知る
女性陣による舞踊が終わると、なにやら棒を持った若い男性の一団が待機しているのが見えました。与那国島には棒術から変化した棒踊りが伝えられいると、この時初めて知りました。
棒踊りは居並ぶ太鼓に合わせて踊ります。太鼓の迫力ある音とともに演舞のような踊りを続けます。動きは結構ゆっくりめで、少し芝居がかっていますがそれでも迫力はあります。そしてこの棒踊りも入れ替わり立ち代り色んな人の組み合わせで、違う踊りが披露されていました。
この棒踊りも各公民館で保存と継承が行われているそうです。ちなみに踊りに魅了されて写真を撮るのをすっかり忘れていたのはご愛嬌。
社の後ろに回ってみました。ここでもシートを敷いて、踊りを見ている人たちが大勢います。
みんな思い思いの格好で祭りを楽しんでいるようでした。
事前に調べるのか、まっさらな状態で行くのか
旅先でのお祭遭遇は初めてだったので、本当に気分が盛り上がりましたが、その場にいた時はこのお祭りの趣旨や舞踊の意味を知るはずもなく、もうちょっと事前に与那国島のことやこの時期のことを調べてくればよかったと思っていました。
これはどの島に旅をしても思うのですが、事前に細かく調べるのか、それとも何も事前情報を入れないで行くのか、は悩みます。
事前に調べていけば、島の文化や見どころ、美味しいもの、などがわかり取りこぼしがないですが、どうしても「確認する」ことになってしまいがち。まっさらな状態での旅は、初めて訪れるところであれば見るもの聞くものは新鮮な驚きを持って接することができると言えますが、文化的背景や一見さんには見つけづらいものを目にする機会は減ると言えます。
この「旅のジレンマ」はいつも感じていて、今までは最低限のことを調べて旅に出ていましたが、このお祭りに遭遇してからは少しずつ考え方が違ってきています。やはり「島」という場所に行くのであれば「その島独自の文化」に興味を持ってもいますので、これからは少し深いところを調べて旅に出ようと考えています。
いや、もっといい方法がありますね。
それは、まっさらな状態で最初は行って、気になる島として印象に残ったのであれば「何度も行く」ですね。これが一番かもしれません。(続きます)
与那国島の舞踊についてはここの一覧があります。
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