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「天売島・焼尻島」旅 その13(焼尻島) 羽幌町の喫茶ガロで、焼尻島の羊毛と出会う

GWは広島方面の島旅の予定です。どうも、いづやん(@izuyan)です。

天売島・焼尻島旅の第十三回をお送りしますね。今回で最終回。四日目の最終日は、一日かけて帰ります。島旅は、帰るまでが島旅です。


天売島の宿は9月一杯まで

旅四日目の朝食の後、見晴らしの良い「島の宿 大一」さんの二階ロビーからの最後の眺めを堪能して、出発の準備をします。

二階ロビーの下は吹き抜けのエントランス。宿のご主人さんと少し話をしました。

天売島の宿の多くが、9月一杯までの営業だそうです。冬はお客も少ないし、建物自体も真冬に対応できるように作られていないので、冬が来る前に水を全部抜いて風や雪の対策をして締めてしまうのだそう。

もちろん冬場も営業している宿はあるそうですが、北海道の冬、しかも離島ということで色々大変なのだろうなと言う想像は働きます。

それに加えて、夏場は1日5便ほどもある羽幌と天売島・焼尻島を行き来するフェリーと高速船は、10月に入るとフェリーのみの1往復となります。長い秋と冬の季節は人の行き来も少なくなるのでしょうが、もしかしたらその時期の方が島の本当の姿なのかもしれません。

そんなことを少し考えながら、港まで車で送ってもらいました。

待合所に荷物を置いて、宿の部屋から見てずっと気になっていた、港の端にある山肌に架けられた木道を登ってみることに。

登りきってみると、天売の港が一望できました。

木道の先には焼尻島も見えます。

この木道を登りきった先には一昨日見た赤い灯台があるはずなのですが、藪が深くて断念。マムシ怖い。

港に戻り、少し写真を撮って、船が来るのを待ちます。

やってきた高速船「さんらいなぁ2」に乗り、天売島を後にします。今度は海鳥の季節に来ようとつぶやいて。


羽幌の町を散策

9時40分に天売島を出港した高速船は、1時間後に羽幌の港に到着。行きと同じ観音崎らいなちゃんのプリントが施されたワゴンに乗って、羽幌の中心地にある沿岸バス本社ターミナルまで移動します。

ここから12時30分に出発する高速バスに乗って札幌まで戻りますが、1時間半ほど時間があるのでターミナルの待合所に荷物を置いて、羽幌の町を少し歩くことにします。

通りをぶらつきながら、本屋に入ってみたり、スーパーを冷やかしてみたり。

商店街の看板はオロロン鳥でした。

この日は日曜日でしたが、通りを行く人も車もまばらでした。


喫茶ガロで島の縁に出会う

あてもなく歩くのも少し疲れてきたので、目についた「喫茶ガロ」に入ります。この時、なぜカウンターに座ろうと思ったのかは覚えてないのですが、他にお客のいない初見の店で、いきなりカウンターに座るのだから、何か感じるものがあったのかもしれません。

カウンターの向こうにいる奥さんにアイスコーヒーを頼むと、最初から甘味(シロップ)の入った昭和な一品が出てきてちょっと嬉しくなります。

アイスコーヒーを飲みながら観光ですかと聞かれるので、天売島と焼尻島に行ってきました、と答えると、

「うちではめん羊工房というのをやっていて、焼尻島のめん羊の刈った毛を引き取って毛糸を紡いで、手編みの帽子やセーターなどを作ったりしてるんですよ」

と教えてくれました。なんという偶然。

「役場に企画書持っていって、羽幌町で生まれた赤ちゃんにめん羊の毛の乳児用布団を上げられるようにもしたんです」

よく見ると、店内には紡ぐ前の羊毛や、糸紡ぎ機、作られたものが置いてあるのに気が付きます。

この喫茶店で糸紡ぎ体験や手芸品を作る体験もしてるのだとか。

「毛をもらいにもちろん焼尻島にも行くんですけど、私船に弱くて(笑)」と笑いながらいいます。

昨日行った焼尻島のカフェアトリエおくむらのマダムとも仲が良いそうで、島に行くと必ず寄るそうです。

せっかくなので何か記念に焼尻島のめん羊の毛で作られたものを買おうと思い棚を見ます。

「ここにあるのは材料で、基本は自分で作るものなんですよ」

それだと自分で作れるようになるには大分時間がかかるな・・・と思いながらふと見ると、コースターかランチョンマット的な完成品があるのが目に入りました。

「あー、それはサンプルですけど、それでよければお売りしますよ」という言葉に二つ返事で買わせてもらいました。

島の旅はもう終わりと思っていたのに、思いがけない縁があって、島との繋がりを思い出せる品が手に入って心が温かくなりました。

問題は、バスの出発時間が迫っていてこれまた喫茶店にいられる時間が20分程しかなかったこと。もっとゆっくり色んな活動のお話を聞いていたかった。

お話とアイスコーヒーのお礼をいいつつ、急いで店を出てバスターミナルに戻ります。


帰りのバスは萌えっ子仕様で

ターミナルまで戻ると札幌行きのバスがすでに待機していました。行きと違って萌えっ子仕様です。左右に天売島と焼尻島をモチーフにしたキャラがプリントされています。天売島・焼尻島旅の最後を締めくくるにはふさわしい乗り物ですね!

3時間かけて札幌まで戻り、札幌在住の友人と落ち合います。

実は札幌は初めてだったので、それっぽいところを案内してもらい、テレビ塔の真下で開催中のサッポロクラシックビアガーデンで、ジンギスカンを堪能。魚介ばかり堪能していたので、肉がことさらに美味いです。

久しぶりの友人との話とジンギスカンで満たされて、あとは空港まで行けば終わり。

「そういえば、これから飛行機乗るのにこの全身ジンギスカン臭どうしよう・・・」

友人は笑いながら「空港に万葉の湯があるからそこで風呂に入ればいいんじゃないかな」と教えてくれます。そ、そんなのがあるのか。助かった・・・。

札幌駅から空港までの快速エアポートは、券売機で300円をプラスすれば指定席が買えると教えてもらったのも助かりました。この大荷物を抱えて右往左往せずに済みます。

空港につき、荷物を預けて万葉の湯へ。温泉で居眠りしてフライト乗り遅れの心配をしつつ空港での入浴という贅沢を最後に味わいながら、初の北の島での旅をゆっくり反芻していたのでした。(天売島・焼尻島旅・了)

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